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ジュウシマツについて
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 ジュウシマツから引用(2008.9.24 19:24)
ジュウシマツ(十姉妹・学名:Lonchura striata var. domestica)とは、スズメ目カエデチョウ科の鳥。
ジュウシマツのあれこれ
体長約12cm、体重13-18g。寿命は7年前後。普段の鳴き声は「プッ、プッ」と電子音を思わせる声である。雄は繁殖期に雌に対し、羽毛を逆立てながら「ププピー〜」とさえずる。尾は長めで、嘴は太く、真っすぐである。嘴、羽毛、足の色は多様で、親子で遺伝する。
- 毛並みによる分類
- 千代田 - 胸の毛が巻き上がっているもの。
- 梵天 - 頭の毛が巻き上がっているもの。
- 千代田梵天 - 胸と頭の毛が巻き上がっているもの。
- 中納言 - 後頭部の毛が逆立っているもの。
- 大納言 - 頭のぐるりと胸の毛が巻き上がっているもの。
- キング - 全身の羽根が巻き上がっているもの。飛翔能力は弱い。
分布
野生種は存在せず、ヒトの手によって作り出された家禽で、江戸時代初期にインドから輸入されたコシジロキンパラが先祖と考えられている。家禽としての歴史が長いため飛翔力が弱く、かご抜けしても野生では長く生きることができないと考えられる。
巣引き(繁殖)方法
ジュウシマツは他の鳥に比べて性格がおとなしく、非常に世話をしやすいため、初心者向けの飼い鳥である。よって巣引きも容易である。
巣引きには春と秋、4月か10月が最も適している。庭箱に移し変えるのが理想的であるが、ジュウシマツは飼育下の環境に馴れているので、通常のケージ(鳥かご)でも繁殖可能である。
発情させるために粟玉を与える。粟玉は汚れやすいので毎日交換する。与えすぎると脂肪過多になるので注意。丈夫な卵の殻を形成させるため、青菜やボレー粉を多めに与える。つぼ巣は湯をかけて日干しで乾燥させ、しっかりと消毒しておく。シュロの毛など、巣材になるものをケージの中に入れておく。
正常に交尾が行われて約2日目以降、メスは1日1個ずつ、全部で5〜9個ほどの純白の卵を産む。産卵を始めたら、粟玉を与えるのをやめ、庭箱でない場合は、ケージにつぼ巣の上にかかるように暗い色の布を被せる。産卵を始めたら、つぼ巣を覗き込んだり、ケージの周りで大きな音や振動を発したり、ケージを移動させたりしてはいけない。
卵は約2週間で孵化する。雛は孵化後約20〜25日で巣から顔を出すようになり、約30日後には巣から出て自分で餌を食べられるようになり、約40日後には完全に巣立ちする。その間、孵化しなかった卵や落鳥(死亡)した雛は、親鳥や他の雛への影響を防ぐため、直ちに取り出す。巣立ちした雛は別のケージに隔離する。
3週間経っても孵化しない場合は無精卵の可能性が高いので、卵を全て取り出して発情からやり直させる。また、雌雄の相性が悪く交尾が正常に行われなかったり、雌雄のどちらかに繁殖機能の欠陥があったりする可能性もあるので、1ヶ月半経過しても産卵が行われなかったり、無精卵しか生まなかったりする場合は、ペアを交換する。
ジュウシマツは同じカエデチョウ科のキンパラ属 Lonchuraに含まれる種類(原種であるコシジロキンパラ、キンパラ、ギンパラ、ヘキチョウなど)とは、繁殖力のある子孫を残すことが可能である。それを利用し、ヨーロッパでは日本とは異なる系統のジュウシマツの品種が産出されている。
飼育上の注意点
餌
本来花の蜜や果実を主食にしているヒインコ類には、専用のネクター餌またはペレットを与える必要がある。フィンチ類やラブバード用のシード餌を与えると、うまく消化出来ず下痢を起こすことがある。
糞
ヒインコ類は基本的に軟便であり、場合によっては周囲に飛ばすこともある。そのため、小屋の周囲を清潔に保つには他種のインコよりもこまめな掃除が必要となる。なお、ペレットを常食とすると、軟便が多少解消される。
鳴き声
ヒインコ類は、興奮するとかなり大きな鳴き声をあげる。概ねホイッスルのような甲高い声で、長時間に渡って鳴き続けることもあるため、特に集合住宅で飼育する場合には注意が必要である。出来れば防音設備を設置するか、鳥専用の部屋を用意することが望ましい。また、人の言葉を覚えると地鳴きの回数が減るため、言葉を教えることも鳴き声の対策としてある程度有効である。
しつけ
非常に頭がよく、個体や属によって差はあるものの、人の言葉を真似たり、握手や輪投げなどの芸をすることも出来る。
明るい性格であるが、同時に興奮しやすい性質も持っていため、噛み癖がつきやすい。ヒインコ類の嘴は鉤状で先端が尖っており、強く噛まれると流血することもある。体罰を伴わない噛み癖の矯正および、必要に応じて嘴のカットを行うことが望ましい。なお、嘴には血管が通っているため注意が必要である。出来れば鳥類を診察出来る獣医師に頼むのが理想的である。
ここまで